
売上・仕入の項目でよく質問があるものに売上割引と仕入割引があります。値引や割戻しとはどのように違うのでしょうか。なお、売上割引については、販売士1級の選択式で出題実績があります。
売上割引・仕入割引とは
売上割引・仕入割引とは、商品などの信用取引(掛売買)の結果生じたしたことにより生じた売掛金・買掛金を代金決済期日前に決済したことによる代金の一部減免をいいます。簡単にいうと、商品を1月に代金を5月に支払うことを約束して購入したが、資金的に余裕が出てきたため、当該代金を2月に支払ったことにより、少しだけ、代金を安くしてもらうことをいいます。
売上値引・仕入値引と売上割戻・仕入割戻
売上値引・仕入値引とは、商品の品質や性能が劣化したために行う売上・仕入代金の減額をいい、売上割戻・仕入割戻とは、一度に大量に取引したことにより行う代金の減額をいいます。
表示箇所
売上値引・仕入値引と売上割戻・仕入割戻は、総売上高から直接控除します。なお、これらは経営政策上行われることが多いことから、実務上の要請により総売上高から直接控除されるため、損益計算書上に表示されることはありません(ただし、販売士3級の損益計算書の問題では、「総」と「純」の判断ができるようになるために、値引・割戻が表示されています。)。
売上割引・仕入割引は、財務上の損益と考えられるため、営業外損益に表示します。ただし、仕入割引については、売上原価の内訳項目とすることもできます。売上割引・仕入割引を営業外損益に表示するのは、これらの割引が代金決済期日前に決済したことによる代金の一部減免であるため、金利の性格を有していると考えられるからです。
出題の可能性
過去の販売士の問題での出題歴があります。多くの受験生が値引と割引とを混同してしまっているため、今後も出題される可能性がありますので、押さえておきましょう。