
小売の輪の理論について、具体例などを用いて解説します。
小売の輪の理論とは
小売の輪の理論とは、1958年にMPマクネアによる理論で、新しい革新的な小売業は一般的に最初は消費者に対して低価格を訴求することで数多くの顧客を集めるものの、次第に低価格では限界が見えてくるようになり、低価格戦略の転換が求められてくるという(付加価値を重視した高価格戦略になる)理論の事です。
どういう事かというと、どのような商品(業界)であっても一般的な相場というものがあるもので、そのような市場で顧客を獲得しようと思えば、低価格をアピールするのが最も簡単でインパクトがあります。同じような商品をより低価格で販売することで、最初のうちはある程度の顧客を集めることができるものの、次第に競合他社もその価格帯に合わてくるようになり、そうなってくると価格競争が始まります。価格競争が激しくなるにつれて企業の利益を圧迫するようになり、価格重視の戦略では限界が見えてきます。そうなると企業は次に付加価値(高いサービス、高い品質の商品)を高める戦略に出ます。高価格重視の企業が増えてくると低価格重視戦略をとる企業が…という理論です。
私たちに身近な例でいうと、ユニクロがわかりやすいのではないでしょうか?最初のユニクロは低価格重視のアパレルでしたが、会社が大きくなるにつれて同じような価格帯の商品を取り扱うアパレル店が増えてきたことなどにより、以前ほどの成長が見込めなくなりました。そこでヒートテックや極暖ヒートテックなどの高付加価値の商品を投入して低価格重視戦略を見直しました。
次にアパレル業界に参入する企業はユニクロのような大手企業に対抗するために以前のユニクロがそうであったように低価格重視戦略で競争に挑んでくることになります。その企業も成長するにつれて低価格では成長が見込めなくなり低価格重視戦略を見直すことに…という理論です。
小売の輪の理論のポイント
小売の輪の理論のポイントは次の通りです。
- MPマクネアが考えたこと。
- 新しい革新的小売業は低価格重視の戦略を取ること。
- 次第に価格重視ではなくなること。