範囲の経済とは複数の事業を同時に行うことにより経済的効率化を追求することをいい、シナジーと同じ意味です。小売店では、単一商品を取り扱うよりも関連する複数の商品を扱うことにより相乗効果があることを示す用語をいいます。
シナジー(相乗効果)とは?
シナジー(相乗効果)とは何かというと、どのような商品にも関連する商品が存在します。例えば精肉店の場合では、単独で精肉店を出店するよりも、八百屋や魚屋などと共同で出店する方が顧客が増加します。それは何故でしょうか?晩御飯の買物をする場合、いくらお肉が食べたいとはいえ、お肉だけを買うわけではありません。野菜や果物も買うことがあります。お肉だけを売っている場所へ行くよりも、色々な商品を取り扱っている場所で買物をしたいですよね。このように共同で出店することにより、精肉店の顧客が八百屋などで買物をすることがあります。これと同様に、八百屋の顧客が精肉店で買物をするかもしれません。複数の関連するお店を共同して出店することにより相乗効果が期待できます。
小売店の例。お酒のお店。単一の商品を取り扱うよりも複数の商品を扱うほうが顧客にとって魅力的な店舗になります。1種類のお酒しか置いていないお店より、1000種類のお酒を取り揃えているお店の方が魅力的ですよね。
ファミリーレストラン事業を経営する会社が単身者向けレストランを経営するなど、ある程度共通した事業を行う場合には、経営ノウハウや既存のブランドイメージを活用することができます。また、単身者向けレストランが成功してブランドイメージが高まるとファミリーレストラン事業のブランドイメージも高まる可能性があります。
これらを範囲の経済(シナジー効果)といいます。規模の経済と間違える人がよくいるので注意しましょう。