流通系列化政策とはメーカーが卸業者から販売業者までを系列化(組織化)して自社商品を有利に販売するための政策をいいます。
流通系列化の目的
流通系列化の目的は自社製品を有利に販売することです。系列化されていなければ、卸売業者も小売業者もそれぞれの会社がその時に売りたい商品を仕入れて販売すれば良く、メーカー側からすると自社商品を優先的に仕入れてもらうために働きかける必要があります。せっかく多くのお金をかけて商品を企画製造しても卸売業者や小売業者が取り扱ってくれなければ意味がありません。流通系列化をすることにより卸売業者も小売業者も優先的に自社商品を取り扱ってくれるようになります。
流通系列化には支援策が必要
流通系列化はメーカーが自社商品を優先的に取り扱ってもらうための政策であって、メーカー主導の政策です。卸売業者や小売業者からするとそのメーカーの商品を優先的に販売しなければいけないため、単純に系列に参画するだけではメリットがありません。そのメーカーの商品が必ずしも良いものばかりとは限りませんからね。そのためメーカーは卸売業者や小売業者が系列に参画してもらうために様々な支援策を実施しています。支援策が不十分だと流通系列化が弱まってしまう傾向があります。
90年代中ごろから流通系列化が弱まってきた
流通系列化は1990年代中ごろから弱まってきています。オープン価格の浸透などが原因として考えられます。また、消費者の多様化により1店舗1企業商品といった店舗に対して魅力を感じなくなってきたというのもあります。近年では、殆どの消費者は家電メーカーの系列店舗ではなく複数メーカーを扱う家電量販店で買っていることからもわかるように、流通系列化政策は消費者のメリットがあまり見当たりません。