市場細分化政策とは消費者ニーズに応じて市場全体をいくつかの市場に細分化し、それぞれの市場のニーズに合致した商品・サービスを提供する政策をいいます。戦後の日本がそうであったように、経済が未発達の状況では商品・サービスの種類も少なく、画一的な商品であっても消費者は購入するため、企業は市場をひとつと捉えていました。しかし、市場が成熟してくると商品・サービスの種類が増加し、それに伴って消費者の需要も多種多様になってきます。すると、これまで市場をひとつと捉えて提供された商品・サービスでは消費者は満足できないようになります。消費者には多種多様な欲求がありその欲求に応えられる企業の商品・サービスを消費するようになります。この多様化した消費者需要を調査し、細かく分類する政策を市場細分化政策といいます。企業はこの細分化した市場に上手くアプローチすることが重要になります。顧客志向であるためには、まずどのような顧客や欲求を対象とするのかを明確にしなくてはならない。P.コトラーによると、効果的な市場細分化を行うには、
- 測定可能性(購入者の情報があり、それを入手しやすいこと)
- 接近可能性(セグメントに対しマーケティング努力を集中することができること)
- 実質性(マーケティング活動をするだけの価値があること)
等の性格を備えていることが望ましいとしている。
ひとつの市場 (例:携帯電話)
今日のように携帯電話が普及する前、携帯電話は機能・色などあまり種類が多くなく、消費者の欲求も今日ほど多様ではありませんでした。
市場が成熟化すると次のようになる。
今日の携帯電話に対する消費者の欲求は機能・色など、多種多様となっています。カメラの画素数が高い、デザインが綺麗、軽いなど消費者の欲求は細かくなってきています。
このような市場に対して画一的な商品を提供していては消費者を満足させることはできません。
市場細分化
先のような多様な欲求のある市場であっても、ある程度、分類することができます。10代男性・女性、20代男性・女性、30代男性・女性、40代男性・女性…などなど。
このように市場を細分化し、どの市場のニーズに合致した商品を提供していくかを考え、アプローチしていく政策を市場細分化政策といいます。