マズローは人間の基本的な欲求には次のような段階があるとし、これらの段階の下位欲求から順次刺激し、満たすことによって動機付けを行おうとする理論がマズローの欲求段階説である。
マズローが考える欲求段階
- ①自己実現の欲求
- 自分が計画した目標を達成したいという欲求
対策:目標管理制度や経営参加制度の導入など - ②自我の欲求
- 経営計画などに参加したい、又は、能力を認められたいという欲求
対策:自己申告制度、社内研修の拡充、適正な人事考課の実施など - ③社会的欲求
- 社会や会社に属しているという欲求
対策:慰安旅行、飲食などの社内行事の実施など - ④安心・安定の欲求
- 解雇されない、収入が減額されないという欲求
対策:終身雇用制度、再雇用制度の導入など - ⑤生理的欲求
- 長時間労働など労働環境改善に関する欲求
対策:労働安全管理の徹底、フレックスタイム制度の導入など
マズローの欲求段解説は社員管理で有用
マズローの欲求段解説は社員管理で有用です。例えば、社員を育成する場合、該当社員に対してまずどの欲求を満たせばよいかを考えます。一般社員で労働環境が整っており、社員の能力開発意識が欠けるのであれば、社内研修制度の拡充や自己申告制度の採用によって、②自我の欲求を刺激する必要があります。また、社員が会社に対して不満を持っているとした場合、どの段階に不満を持っているのかを分析し、下位欲求から改善していく必要があります。いくら上位欲求を満たしていたとしても、会社の経営が不安定で倒産しそうな場合には、社員は不満を持ちます。