簿記検定試験

簿記とは、日々の経営活動を記録、計算、整理して経営成績と財政状態を明らかにするための技能のことをいいます。簿記を理解することによって、財務諸表を読むことができるようになるため、どのようにして会社の利益が生じているのかを理解することができるようになります。さらにこの知識を応用して経営分析や原価管理を行うことができ、自社又は自分が担当している仕事のコスト管理も行うことができる知識を得ることができます。企業によっては、採用条件のひとつに簿記を必須としているところもあります。

販売士と簿記

販売士受験者のなかには、販売士の受験に平行して簿記を受験している方がいます。両者の資格は、一見何の関係もないように思いますが、そういうわけでもないのです。販売士3級で学ぶ項目のひとつに損益計算書があります。簿記では、販売費及び一般管理費にはどういった費用であるのか、営業外収益と営業外費用はどういった性格のものが当てはまるのか等、損益計算書の仕組みを学ぶことができます。特に売場を任されるマネージャークラスの職に就いた場合、売場のコスト管理は非常に重要です。前任者より引き継いだ売場の利益を上げたり、提案した企画を成功させるとあなたの評価は上がります。コスト管理をして利益を増加させたり、損益分岐点分析をして新企画を成否を事前に判断したり…利益の仕組みを知ることは社会人にとって重要なことなのです。

勉強範囲の重複

販売士検定試験では、販売・経営管理の科目で、損益計算書や貸借対照表、経営分析、損益分岐点分析、一般原則などの問題が出題され、これらが簿記の勉強範囲と重複しています。

就職における優位性

簿記は販売士と同様に、就職活動でとても役に立ちます。特に、経理などの事務職では、簿記2級・3級の合格を応募の必須条件としている企業があります。

簿記検定試験の試験内容

試験内容 1級 税理士、公認会計士などの国家試験の登竜門。大学程度の商業簿記、工業簿記、原価計算並びに会計学を修得し、財務諸表規則や企業会計に関する法規を理解し、経営管理や経営分析ができる。
2級 高校程度の商業簿記および工業簿記(初歩的な原価計算を含む)を修得している。財務諸表を読む力がつき、企業の経営状況を把握できる。相手の経営状況もわかるので、株式会社の経営管理に役立つ。
3級 財務担当者に必須の基本知識が身につき、商店、中小企業の経理事務に役立つ。経理関連書類の読み取りができ、取引先企業の経営状況を数字から理解できるようになる。営業、管理部門に必要な知識として評価する企業が増えている。
試験日 1級 6月・11月
2級 2月・6月・11月
3級 2月・6月・11月
試験科目 1級 商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算
2級 商業簿記、工業簿記
3級 商業簿記
試験方式 1級 記述式
2級 記述式
3級 記述式
合格基準 1級 70%以上ただし、1科目ごとの得点は40%以上
2級 70%以上の正答率
3級 70%以上の正答率
合格率 1級 15%前後
2級 25%前後
3級 40%前後

なお、簿記1級の合格者には、税理士試験の受験資格が与えられます。

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