用語解説 小売業の類型

販売士の小売業の類型の用語解説一覧です。

あ行

アウトレットストア

小売業の業態のひとつ。アウトレットとは、出口や掃き出し口という意味があり、ブランドの売れ残りや流行が遅れてしまった商品を処分する店舗のこと。これらの商品を正規の店舗で販売するとブランドイメージを低下させる恐れがあるため、正規の店舗とは別の店舗を設けて販売することでブランドイメージの低下を避けることを目的としている。


アコーディオン理論

品ぞろえの専門化した小売店と総合化した小売店が交互に出現するという理論。


アソートメント

商品の取り揃え・組み合わせのこと。


アメニティ機能

生活環境の快適さのこと。


一店一帳合制

メーカーが小売店の仕入先を特定の流通業者に限定すること。


一般品

化粧品の分類。比較的に低価格で最寄品的な性格を有している。制度品との違いに注意しましょう。


 

か行

カテゴリーキラー

特定の商品分野に絞り込み、当該分野の商品を豊富に取り揃えることにより、GMSなどから顧客を奪い取る業態のこと。トイザラスは「子供」というカテゴリーに特化した小売店。


勧工場

勧工場は、明治11年に永楽町に出店し、大型店舗として栄えたが、取扱商品の品質低下、及び、百貨店の台頭により大正末期に消滅した。特徴は、正札販売、陳列式販売が挙げられる。


規模の利益

大量に販売することにより、商品あたりの利益が増加すること。これは、一般的に賃借料などの固定費は、販売量の増減に関わらず変動しないため、多くの商品を販売すれば、その分、1商品あたりに対する固定費が減少するため、同じ販売単価であっても利益が増加する。


業種

小売店が取り扱っている販売品目で分類したもの。八百屋、肉屋、魚屋など。生産者の立場からみた用語。


業態

経営方法により分類したもの。業態店とは、売り方を明確にした店舗をいいます。GMS、カテゴリーキラーなど。消費者の立場からみた用語。


クリック&モルタル

ネット販売と店舗販売の併用のこと。店舗でも商品を販売しているが、ネットでも商品を販売していること。モルタルとは、店舗という意味で使用されています。


クリンリネス

清潔、きれいさ、という意味でいわれます。クリンリネスの3Sとは、清掃・整理・整頓のことです。


クーリング・オフ

購入者が無条件で申込みの解約をできる制度。クーリング・オフの期間は、契約のための書面を受け取った日を含めて8日間です。送料は事業主負担です。ただし、3,000円未満の現金取引、法律で指定された消耗品を使用、消耗した場合、乗用自動車の場合は対象外です。


限界効用逓減の法則

商品を1つ消費することにより得られる効用は、その消費するものが増加するにつれて減少するという法則。例えば、ビール1杯目の満足度と3杯目の満足度は、同じビールであっても満足度は異なる。それが、20杯目になると…。消費が増えるに従い満足度が減少する法則。


権限・責任一致の原則

組織原則のひとつ。職務遂行上、必要な権限を与え、かつ、その責任が権限に一致していなければならないという原則。


小売の輪の理論

低コスト低利益の価格訴求型の小売業と高コスト高利益の小売業の非価格訴求型が繰り返されるという理論のこと


公設市場

第一次大戦による物価の高騰に対して日用品の低価格販売を目指して大都市に設けられたもの。昭和3年に350ヶ所あったが、昭和不況により縮小。


コーザルデータ

売上と因果関係のあるデータのこと。天気や気温、クリスマスといったイベントなど。


コミュニティ

地域社会という意味。


コモディティ商品

使用頻度と消耗頻度が高い低価格の商品のこと。


さ行

事業部制組織

組織における縦の指令命令関係の軸を地域別・製品別・顧客別に事業部門化した分権管理組織のこと。


指令系統一元化の原則

指令系統に一貫性があることを要求する原則のこと。


仕様書発注企画

PB開発の方法のひとつ。自社が企画した仕様書をメーカーに発注し生産委託する方法。衣料品や食品業界で多くみられます。


消化仕入

商品を販売すると当該商品を仕入れたことになり、販売できなければ仕入れたことにならない仕入れ方法。


職能部門組織

職能部門組織は最も普遍的に採用される組織であり、指令系統一元化の原則と統制範囲の原則を中心に考える最も基本的な組織である。別名、ライン組織ともいう。


ストアロイヤリティ

顧客のお店に対する愛顧心のこと。


制度品

化粧品の分類。契約を交わすことにより販売することができる商品。比較的高価でシンボル的商品。一般品との違いに注意しましょう。


専門化の原則

組織原則のひとつ。職務を分析し、グルーピングすることで従業員が担当する職務を専門化する原則のこと。


た行

ダブルチョップ

PB開発の方法のひとつ。メーカーと協力して商品を開発し、当該製品に製造元企業名のほか、販売元として自社の社名を連名する方法。会社名が2つ記載されることからダブルといいます。医薬品業界で多くみられます。


ダラーショップ

アメリカの1ドルショップのこと。日本でいう百均のこと。


チェーンストア

単一資本で11店舗以上の店舗を直接経営管理する業態のこと。


チャネル

チャネルとは、流通経路のことをいいます。


ディベロッパー

土地開発業者のことをいいます。


統制範囲の原則

組織原則のひとつ。1人の管理者が管理することができる部下の人数には限界があり、それを超えて管理させてはならないという原則。


取引総数最小化の原則

卸売業が必要であることを示す原則。取引企業が多くなると、中間に卸売業が介在することにより取引総数が減少することを示している。これにより流通コストが減少する。


ドロップシッパー

車載販売卸売業のこと。商品を車に積んで個人経営者などに商品を販売して回る業者こと。


な行

ナショナルブランド

全国的に消費者に普及しているメーカーのブランド製品のこと。


ネイバーフッドスーパーマーケット

近隣型のスーパーマーケット。最寄品を中心に取り扱う。


ネットワーク組織

情報システムの発展を基盤として、よりソフトな結びつきからなる組織の構築を考えようとするもの。激しく変動する環境の中で、従来の大規模企業が硬直的になりやすい欠点を克服するために自立的な各単位の組織の間に柔軟なネットワークを築いて情報の創造によって常に変化していこうとする組織のこと。


は行

パパママストア

家族経営の零細小売店。こういった店舗は、夫婦で行われいることが多いことからパパママストアと呼ばれる。


パブリシティ

パブリシティとは、販売促進策のひとつで、テレビや新聞、雑誌などの広告媒体に自社の商品などを無料で紹介してもらうための活動のことをいいます。


範囲の経済

複数の事業を同時に行うことにより経済的効率化を追求すること。シナジーと同義。小売店では、単一商品を取り扱うよりも関連する複数の商品を扱うことにより相乗効果があることを示す用語。


不確実性プールの原理

商品の売上は、消費者志向の変化など外部環境により変動する。この変動に備えて、すべての小売店が在庫を持つよりも、卸売業者がこれらの外部環境の変化に対応できるように在庫を保有することにより、流通業界全体としての在庫リスクが減少するという原理。


プライベートブランド

小売店などがメーカーに商品の生産委託をして、小売店の名前(ブランド)を付けた商品のこと。小売店が商品の企画をし、在庫リスクも負うため、利益率が高い。


ファンクショナル組織

ファンクショナル組織とは、ライン組織にみられる包括的な権限と責任を職能別に分け、各担当者に付与する組織形態をいいます。


ボランタリーチェーン

独立系小売店が共通の目標に向かって緩やかに組織化された目的共同体のこと。加盟店は、独立自営である。小売主宰のVCを水平的統合、卸主宰のVCを垂直的統合という。


ホールセールクラブ

ホールセールとは、卸売業という言葉。卸売業者による会員制の小売店。


ま行

マトリックス組織

マトリックス組織とは特定の問題を解決するために機能別組織とプロジェクト組織の組み合わせた複合体組織のこと。特徴は、ツーボスシステムであることが挙げられる。つまり、機能別組織の上司とプロジェクト組織の上司が存在する。


ら行

ライン組織

ライン組織は最も普遍的に採用される組織であり、指令系統一元化の原則と統制範囲の原則を中心に考える最も基本的な組織である。別名、職能部門組織ともいう。


ラインアンドスタッフ組織

ラインアンドスタッフ組織とは、ライン組織の活動を促進するためにライン組織に対して助言、サポートするスタッフ組織を備えた組織形態であり、ライン組織とファンクショナル組織の長所を取り入れている。


リージョナル

「広域的な」という意味。リージョナルショッピングセンターとは、広域的なショッピングセンターのこと。


リテールサポート

リテールとは小売業のことです。小売店の販売活動をサポートすることをいいます。小売店が抱える問題点などを明確するなど、小売店の経営を支援します。


流通系列化政策

流通系列化政策とはメーカーが卸業者から販売業者までを系列化(組織化)して自社商品を有利に販売するための政策をいいます。


ロイヤリティ

加盟店使用料のこと。ロイヤリティを支払うことにより、有名な商品や看板で事業を行うことができる。


わ行

ワンストップ・ショッピング

ワンストップ・ショッピングとは、ひとつの店舗で必要とする商品のすべてを購入できる利便性のことをいいます。


アルファベット

DIY(Do It Yourself)

簡単にいうと、ホームセンターのこと。自分でモノをつくる、補修するという意味から DIY店(Do It Yourself) と呼ばれる。


EDI(Electric Data Interchange)

企業間の商取引受発注システムのこと。EDIによりペーパーレス化や情報の共有化、業務処理の効率化が期待できる。


FC

フランチャイズチェーン。店舗ブランドやノウハウを提供する対価としてロイヤリティを収受する事業。本部側は、少ない資本により販売店を増やすことができ、規模の利益を享受できる。加盟店側は、知識やノウハウを有していなくてもスムーズに事業を始めることができる。本部をフランチャイザー、加盟店をフランチャイジーという。


GMS

日常生活に必要な商品を総合的に品ぞろえし、ワンストップショッピングの利便性を提供する店舗のこと。


NB

ナショナルブランド。全国的に消費者に普及しているメーカーのブランド製品のこと。


OEM(Original Equipment Manufacturing)

PB開発方法のひとつ。メーカーのNB商品に小売店のブランドを記載して販売する方法。わかりやすくいうと、製造部門のアウトソーシング(外部委託・外注)。これにより小売店側は、販売に専念することができ、メーカー側も余剰設備を有効活用することができる。


PB

プライベートブランド。小売店などがメーカーに商品の生産委託をして、小売店の名前(ブランド)を付けた商品のこと。小売店が商品の企画をし、在庫リスクも負うため、利益率が高い。


POS(Point of sale)

販売時点情報のこと。POSデータを活用することにより売れ筋商品や死に筋商品を把握することができる。


SPA(Specialty Retailer of Private Label Apparel)

製造小売業のこと。製造・卸売の機能も行う小売業。ユニクロが有名。


TMO(Town Management Organization)

タウンマネジメント機構。まちづくり機関ともいう。中心市街地活性化法のもと、市街化活性計画に沿って事業を推進したりする機関。


VC

ボランタリーチェーン。独立系小売店が共通の目標に向かって緩やかに組織化された目的共同体のこと。加盟店は、独立自営である。小売主宰のVCを水平的統合、卸主宰のVCを垂直的統合という。


VMS(Vertical Marketing System)

垂直的マーケティングシステムのことで、メーカーと流通業者との垂直的な協働関係のこと。


W/R比率(Whole sale / Retail比率)

卸売りの売上高に占める小売の売上高の割合のこと。

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